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【研究成果および研究計画】

 
 
  

 
     
 

<コア研究機関>

帯広畜産大学

<研究参画機関>

独立行政法人農業・ 食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター北海道立十勝圏地域食品加工技術センター愛媛大学静岡大学

<研究参画企業>

コスモ食品株式会社株式会社アース技研カルビー株式会社カルビーポテト株式会社

 
     
 

 十勝エリア内の澱粉工場から排出される残渣物は年間13,000トンにも上る。これらの一部は現在、飼料や肥料として利用されてはいるが、非常に大きな課題もまた存在している。本研究は、これらの残渣物から有用物質を抽出して高付加価値化に結びつけるともに、新しい産業を生み出すことを目的に実施するものである。

 平成17年度の研究において、具体的に以下の成果が得られた。

1.

ポテトペプチドの生産技術開発においては、ポテトたん白質からたん白質分解酵素処理により約1,000〜2,500の分子量のペプチドが約25%の収率で得られた。

2.

ポテトペプチドの健康機能性においては、血清中のHDLコレステロール(善玉)の上昇、LDLコレステロール(悪玉)及び中性脂肪の低下が観察された。さらには、糞便中への胆汁酸排泄の増加傾向、糞便中への中性ステロール排泄の有意な増加及び糞便中への全脂質排泄の有意な増加が観察された。

3.

ポテトたん白質の健康機能性においては、血清コレステロールの低下が観察されるとともに、肝臓でのLDL受容体、CYP74A1mRNAs発現量の上昇、コレステロール合成律速酵素であるHMG-CoA還元酵素の低下及び糞便中への胆汁酸の排泄増加が観察された。

 これらの成果が得られたことから、平成18年度は引き続き以下の項目について検討を行い、さらなる特許化、実用化、製品化等に結びつける。 

1.

ポテトペプチドの工業的生産技術の確立及び製品の開発の検討
 より効率的なポテトペプチドの生産技術の検討及び製品の開発について検討を行う。 

2.

ポテトペプチドの健康機能性メカニズムの解明
 ポテトペプチドの血清脂質に対する影響について、遺伝子の発現レベルを検討。さらに、腸内環境に対する影響を微生物叢の解析及び腸内発酵産物である短鎖脂肪酸の解析で検討する。また、高コレステロール付加食による脂質代謝への影響を検討するとともに、ポテトペプチドの抗アレルギー性をマスト細胞脱顆粒試験での検討を行う。

3.

ポテトたん白質の健康機能性の解明
 ポテトたん白質の肝毒性抑制効果について、ラットを用いた実験を計画、その作用メカニズムまで検討する。

4.

ペプチド関連市場の動向分析
 ペプチド市場動向について検討を行う。

   
 
     
   

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<コア研究機関>

独立行政法人農業・ 食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター

<研究参画機関>

帯広畜産大学北海道立十勝圏地域食品加工技術センター

<研究参画企業>

森産業株式会社株式会社北海道海洋牧場 、株式会社中田園、新得物産株式会社、株式会社小田壱

 
     
 

 十勝エリアで安定的に生産されているソバ・豆類は、農産物の輸入に伴い価格競争となる可能性が非常に高い。そこで、これら農産物の高付加価値化が求められている中、健康機能性スプラウトを開発するということは非常に大きな差別化となることから、今後当エリアが農業を核とした産業振興を進める上でも大きな柱となることが考えられる。

 平成17年度の研究において、具体的に以下の成果が得られた。

1.

ソバ、豆類スプラウトの効率的安定生産技術の開発を実験室レベルで実施し、栽培条件、雑菌コントロールについて基本的な検討を行った。

2.

スプラウト栽培経時での各種機能性成分の変動解析を実施したところ、ダッタンソバスプラウトのルチン含量が普通ソバの2〜3倍高く、GABA含量も高いことが確認された。また、普通ソバのビタミンU、C含量が高いことも確認された。

3.

スプラウトの主要機能性をin vivoで評価した(特許申請準備中)。

4.

回転ドラム式スプラウト栽培器を用いて、北農研育成品種(マキワカバ、ヒサワカバ)の豆カールスプラウトの工場生産技術を確立した。

5.

ダッタンソバ、小豆スプラウトの工場生産技術を確立した。

6.

スプラウトの商品化に伴う経済波及効果について、地元スーパーでの商品選択行動分析の予備調査を実施した。

 これらの成果が得られたことから、平成18年度は引き続き以下の項目について検討を行い、さらなる特許化、商品化を随時実施する。 

1.

ソバ、豆類スプラウトの効率的安定生産技術の開発として、各種栽培条件を基に、工場生産品の機能性成分の定量を行う。また、並行して雑菌コントロール技術の検討として、殺菌剤及び乳酸菌の併用効果を検討する。

2.

スプラウトの栽培経時での各種機能性成分の変動解析について、小豆スプラウトを中心として行う。特に、カテキングリコシドをターゲットに実施。

3.

スプラウトの主要機能性として、抗酸化活性、脂質代謝改善効果の評価、解析を行う。

   
 
     
   

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<コア研究機関>

帯広畜産大学

<研究参画機関>

独立行政法人農業・ 食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター北海道立食品加工研究センター北海道立十勝圏地域食品加工技術センター名寄市立大学北海道立十勝農業試験場東京農業大学

<研究参画企業>

コスモ食品株式会社帯広市川西農業協同組合、株式会社江戸屋 、渋谷醸造株式会社鎌田醤油株式会社仙波糖化工業株式会社株式会社北海道ホテル有限会社ランラン・ファーム十勝ビール株式会社株式会社新晃商会株式会社小林商会道東ライス株式会社株式会社丸勝十勝冷凍食品株式会社

 
     
 

 現在、十勝エリアの畑作物の中で最も注目されている作物が長いもである。全国生産の20%に及ぶ出荷高を誇り、品質的にも国内外で高い評価を受けている。独特の粘物質には、滋養強壮効果があるといわれており、国内ばかりか海外での需要も伸びてきている。しかし、その機能性因子の解明については未だ不明な点が多い。そこで、この長いもを十勝エリアの代表的な作物とするべく、機能性因子の解明をするとともに、さらなる高付加価値化を持たせ、将来の十勝の新しい農作物として世界中に通用させることを目的とする。

 平成17年度の研究において、具体的に以下の成果が得られた。

1.

長いもの健康機能性について、特に血清中の総コレステロール濃度の低下が観察された。これは、加熱長いも及びコントロール食群では糞中胆汁酸排泄量が有意に増加し、非加熱長いもを摂取した群では変化が認められなかったことから、血清中のコレステロールの低下は、胆汁酸排泄の増加が関与しているのではなく、肝臓へのコレステロールの取り込みもしくは肝臓コレステロール合成の変動が関与していると推察される。

2.

十勝産長いもの高品質特性として「形状が良い」「表皮が白い」「歯ごたえがある」「すりおろし時の変色も少なく、高い粘りを有している」ことがわかった。また、長いも澱粉の糊化特性として、その粘度特性はサツマイモに類似していた。

3.

長いもの商品開発として、様々な試作を行うと同時に製品化もなされた。

 これらの成果が得られたことから、平成18年度は引き続き以下の項目について検討を行い、さらなる特許化、商品化を随時実施する。 

1.

長いもの健康機能性試験として、長いも全体の耐糖能についての評価及び高脂血症ラットの機能性評価を行う。さらに、肝臓におけるコレステロール代謝に関わる酵素等のmRNA発現量を明らかにし、コレステロール代謝に対する長いもの作用を解明する。また、長いもの加工を考慮した健康機能性を解析するために、長いものドラムドライヤーフレークを試料として、その健康機能性を検討する。

2.

長いもの高品質特性を解明するために、栽培時の施肥及びつる切り適性を検討する。さらに、長いも澱粉の特性を解明する。

3.

長いもの機能性を付与した末端製品開発を行う(デザート、スナック、ジュース、飲むヨーグルト、発泡酒等について検討する)。

   
 
     
   

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<コア研究機関>

帯広畜産大学

<研究参画機関>

北海道立畜産試験場北海道立根釧農業試験場北海道立十勝圏地域食品加工技術センター

<研究参画企業>

株式会社フロンティア研究所、農事組合法人共働学舎新得農場有限会社十勝野フロマージュ北海道士幌高等学校士幌町食品加工研修センターよつ葉乳業株式会社、有限会社ランラン・ファーム

 
     
 

 十勝エリアは農作物ばかりでなく、畜産分野、特に乳についても一大生産地である。昨今、飲用乳ばかりでなく、乳の高度加工利用として様々な加工品が市場においても大きなシェアを占めるに至っている。十勝エリアにおいても、ここ数年フェルミエタイプのチーズ工房が増加してきている。しかし、その品質及び安全性についてはその消費に比例して伸びないというのが現状である。従って、今から地域固有の技術を持ち、日本人の嗜好にあった新しいチーズ文化を形成しなければならない。また、安全性についてはここ数年非常に重要な課題として取り上げられ、特に微生物が要因となる衛生関係についてはその検査について特殊な技術を必要とすることから、中小企業においては浸透していないのが現状である。これらを解決すべく「@エンテロトキシンA産生黄色ブドウ球菌判別試薬キットの開発」「A地域独自の製造用スターター(酵母、乳酸菌)の開発」の2課題を実施することとしている。

 平成17年度の研究において、具体的に以下の成果が得られた。

 @エンテロトキシンA産生黄色ブドウ球菌判別試薬キットの開発

1.

試験用菌株の収集を食中毒菌及び乳製品関連菌から行い、57菌株を入手した。

2.

黄色ブドウ球菌遺伝情報から、エンテロトキシンA遺伝子増幅用プライマーセットを設計(3組)、増幅を確認した。その結果、ループプライマーを利用することによりLAMP反応時間の短縮が実現できた。

3.

DNA抽出条件及びLAMP反応条件について、その最適な条件を検討中である。

 A地域独自の製造用スターター(酵母、乳酸菌)の開発

1.

熟成の制御を行うことによる高品質化が可能となった。すなわち、カビ混合型では内部のカビの生育を適度に抑制し、たん白質の過剰分解による風味バランスの劣化や販売期間の短さを改善する可能性が考えられる。また、カビ噴霧型では表面からのカビによるたん白質分解とは別に内部からの酵母によるたん白質分解を促進することで、適度な旨味の増加と熟成期間の短縮が可能となった。

2.

意図的に酵母を導入することで、酵母の菌叢を優性に保ち、他の汚染酵母の生育を抑制し、汚染酵母による風味産生ムラや不快臭生成を抑制し、品質を安定させると同時に高品質化が可能となった。

3.

酵母の意図的導入は、チーズカード中に残存する乳酸をすばやく消費し、汚染菌の栄養源を消失することで、初期汚染による品質劣化の危険性を非常に低減させることが可能となった。

 これらの成果が得られたことから、平成18年度は引き続き以下の項目について検討を行い、さらなる特許化、商品化を随時実施する。 

 @エンテロトキシンA産生黄色ブドウ球菌判別試薬キットの開発

1.

平成17年度に作製したプライマーの特異性、検出感度に関する検討を行うことよる性能評価を実施する。

2.

LAMP反応に最適なDNA抽出条件の検討を行う。併せて、乳、チーズからの黄色ブドウ球菌DNA抽出法についての検討も行う。

 A地域独自の製造用スターター(酵母、乳酸菌)の開発

1.

セミハードタイプのゴーダチーズにおける酵母スターターの有用性を確認する。
酵母スターターとしては平成17年度に用いた酵母のほか、新たに風味生成、ガス産生性の酵母スターターについても試作を行う。同時に対照となる酵母スターターを添加しないチーズを試作して比較を行う。

2.

ハードタイプチーズの製品開発を行う。モデル製造によるメリットの確認、試作評価、効果的な製造条件の検討を実施する。

   
 
     
   

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<コア研究機関>

帯広畜産大学

<研究参画機関>

北海道立十勝圏地域食品加工技術センター城西大学北見工業大学池田町ブドウ・ブドウ酒研究所

<研究参画企業>

日本甜菜製糖株式会社日本製粉株式会社日本罐詰株式会社株式会社岡安商店 、株式会社ズコーシャ十勝新津製麺株式会社三菱レイヨン株式会社

 
     
 

 昨今の食品は様々な機能性を追求する傾向がある。しかし、動物試験等によりある活性が見いだされても、生体内でどのような代謝機構が働いているのかを解明するのには多大な時間とコストを伴う。同時に表現型として 現れない何らかの不安要因が存在することも否めないのが現状である。よって、これら不安要因を取り除くことは食品として最低限保証しなければならない課題である。本事業は農業を核とした地域が生き残るための農産物の付加価値向上を目指す中で健康機能性食品の開発を行うものである。そのためにも生理活性の生体内メカニズムを解明することは重要な要素である。また、将来的に様々な素材に含まれる機能性成分の探索を行う上で短時間に迅速に対応できる体制を取ることも非常に重要である。そのためにも、生体内の代謝やシグナル伝達系を網羅的に解析する手法が必要となる。

 平成17年度の研究において、具体的に以下の成果が得られた。

1.

ポテトペプチド、大豆ペプチドを投与したラットの肝臓についてマイクロアレイ解析を行った結果、遺伝子の変動はポテトペプチド投与の方が圧倒的に大きかった(特許申請準備中)。

2.

スイートコーン投与時において、ガン関連遺伝子の減少が認められた。また、その他の遺伝子の変動がみられた(特許申請準備中)。

3.

加工副産物のワイン圧搾絞りかす(パミス)及びコーン缶詰工場副産物(包葉、雄しべ、穂軸)からの機能性成分の抽出を行った。その結果、パミスからはオレアノール酸が検出され、コーン副生成物からはフェルラ酸が検出された。

 これらの成果が得られたことから、平成18年度は引き続き以下の項目について検討を行い、さらなる特許化、実用化を随時実施する。

1.

平成17年度に実施できなかった農産物及び加工副生成物のDNAマイクロアレイ解析の実施を行う。

2.

農畜産物、副生成物からの機能性成分抽出技術の開発を行う。特にオレアノール酸の抽出技術の課発及びそれを用いた製品の開発を行う。

3.

アレイ解析結果をもとに食品開発用データーベース化の構築を検討する。

   
 
     
 

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