十勝Z団(トカチゼットダン)

公益財団法人とかち財団

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2021年2月12日、公益社団法人とかち財団と、一般社団法人AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)連携協定締結式が行われました。とかち財団は北海道帯広市の「LAND」から、AgVenture Labは東京大手町からZOOMを利用し、オンライン形式での記者会見となりました。

AgVenture Lab」とは
一般社団法人AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)は、JAグループ全国連8団体が共同して2019年5月に開設。 「次世代に残る農業を育て、地域のくらしに寄り添い、場所や人をつなぐ」をコンセプトに、スタートアップ企業やパートナー企業、大学、行政等と協創し、新たな事業創出と社会課題の解決や、新たな価値創出に取り組んでいる。

※JAグループ全国連8団体 / 全国農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会、全国共済農業協同組合連合会、農林中央金庫、一般社団法人家の光協会、株式会社日本農業新聞、全国厚生農業協同組合連合会、株式会社農協観光

今回の連携協定は「食」と「農」と「地域」の発展のため、次世代に繋がるイノベーションの創出を目指すことが目的です。連携事項は「起業家人材の育成」「地方と首都圏の人材交流」そして「拠点の相互活用」という3本柱。とかち財団にとって、人材育成事業を対象とした連携協定は初の試みです。

とかち財団とAgVenture Labは、十勝発のスタートアップ企業と、AgVenture Lab関連団体・企業とのマッチングや、帯広畜産大学の学生を対象とした講義をおこなうなど、これまでも連携を図ってきましたが、協定締結によって更に連携を進めるとのことで、今後の展開が期待されます。

AgVenture Lab・代表理事理事長の荻野さんとかち財団・理事長の長澤さんが、今回の連携についての想いを語りました。

(左)AgVenture Lab 代表理事理事長 荻野さん、(右)とかち財団 理事長 長澤さん

(荻野さん) 私たちは志を同じくする人達と手を結んでやっていきたい。(両代表が共にラグビー経験者という事にちなみ)ラグビーではスクラムが一番大事。これから一緒にしっかりとスクラムを組んで、社会課題の解決に向けてやっていきたい。

(長澤さん) 今回の協定をきっかけとして、さらなる異分野交流や、全国的な繋がり、産学官金、大学との連携など、色々な連携を拡大し充実していきたいと期待している。

最後に協定書への署名をおこない、とかち財団AgVenture Lab連携協定を締結しました。

連携協定記念事業「とかち発スタートアップEvent」

続いて、連携協定の記念事業としてオンラインピッチイベント「とかち発スタートアップEvent」(「あぐラボチャンネル」Youtube配信)を開催しました。AgVenture Lab篠原さん(東京)、とかち財団高橋さんの2人が司会進行を務めます。

最初に、両団体の事業説明、そして先程行われた連携協定についての説明がありました。

続いて締結式でも紹介された株式会社エアシェア・代表取締役CEOの進藤さん株式会社VETELL(ベッテル)・代表取締役で獣医師の池田さんも登壇。

とかち発スタートアップ企業ピッチ

まずはエアシェア・進藤さんが、ピッチを行いました。

(進藤さん) エアシェアは旅行者、航空機のオーナー、そしてプロのパイロットの三者をWEB上でマッチングするサービス。旅行者にとっては完全オーダーメイドの遊覧飛行など、新しい空の価値を手に入れる事ができる。エアシェアの理念はコロナ前も、コロナ後も変わっていない。新しい利用者層を創出して遊休資産を活用を通じて、航空界の活性化と健全な発展を実現して参ります。

ピッチを聞いた篠原さんから「いかに早く便利に移動するという課題に、小型航空機を使うという発想は、広い北海道らしいサービスだと思った」と率直な感想がありました。

続いてVETELL(ベッテル)・池田さんがピッチを行います。

(池田さん) ベッテルは、農家さんと関係者を繋ぐ共有型の電子カルテのサービス。利用者は、牛の日々の健康管理記録を付けていくだけで、牧場の経営情報を統合できるシステム。 畜産・酪農産業を維持発展させ、日本の食と文化を守るために全ての農家さんに幸せな牛飼いの毎日を提供していきます。

2人のピッチが終わると、続いて「地域間の連携とイノベーションの創出」をテーマに、登壇者4人によるトークセッションが行われました。ピッチを行った2社の事業について深掘りします!

エアシェアの事業について

(高橋) ピッチで海外旅行の需要が国内に向けられるというユーザーサイドの変化があるとの話があったが、今後はどの様なニーズや可能性があるか?

(進藤さん) 海外旅行ができない状況(コロナ禍)なので、国内旅行は普段できない、よりディープな体験ができる旅行に需要が出てくる。「GoToトラベル」の人の動きを見て、旅行需要の根強さを感じた。

(篠原さん) 現在のコロナ禍で、人混みを避けたいがビジネスで移動しなくてはいけない、というニーズの解決策になるのかなと思う。この辺りはどうか?

(進藤さん) ビジネスで使う場合、移動時間の短縮、日帰りの利用で経費の削減にも繋がるので有効だと思う。プライベートの航空機を使うことで、「不特定多数」というものが存在しなくなるので、感染症の不安から解放される

(篠原さん) AgVenture Labの会員でもあるJA系統の病院の医師など、より便利な移動手段を探している方々に、是非このサービスを認知できれば、広がりが出ると思う。

VETELL(ベッテル)の事業について

(高橋) これから農家さんは農場HACCP(ハサップ)やJGAP(Jギャップ)の対応をしていくことになる。ベッテルのサービスはどんな役に立つか?

(池田さん) これらは、どの牛に対して誰が処置をしたかという記録を、正確に残していく作業。既存の牛群管理システムを利用している方からも、デジタル化・自動化の要望は多い。ベッテルを使えば一元管理、自動化ができるので、記録管理による食の安全に大きく貢献できると思う。

(篠原さん) 農業は一人ではできないサービス。何と言っても一頭あたり300円程度と価格が非常に魅力的。使ってみたい農家さんや興味のある方にサービスを紹介していきたい。

(池田さん) このサービスは、地域に酪農家が数件しかない地域のほうが、関係者の力を発揮しやすく向いている。近くに獣医や専門家がいない無獣医村でも、遠隔からサポートすることが可能となっている。

AgVenture Labととかち財団の連携協定に期待することは?

(進藤さん) 最近、十勝でもベンチャーの気運が高まっているが、投資家との距離が遠く熱量を伝えるのが非常に難しい。信頼できる機関からの紹介をして頂けると、ベンチャー側はやりやすくなる。

(池田さん) 最大の資金調達は、ユーザー獲得による売り上げ。顧客となる農家さんや関係者を、ご紹介して頂ければと思っている。

(高橋) とかち財団には、十勝を中心とした産学官金のコーディネーションや、資金調達に関するネットワークがある。同じようにAgVenture Labにも、それぞれ異なるネットワークがある。的確なコーディネートをさせていただき、お二方の事業成長のサポートをしていきたい。

(篠原さん) AgVenture Labは、JAグループの8団体でやっているので、そこで繋がりを作り、ビジネスを広げていくのが1つの方法。また、我々には「JAアクセラレータープログラム」という取り組みがあり、半年間のサポート付きで、JAグループのリソースを使って実証実験ができる。現在、第三期を募集中で、採用されれば最大100万円の費用補助を予定しているので是非活用して欲しい。

場所や環境は違えど、同じ思想を持つとかち財団AgVenture Labがスクラムを組んだ今回の連携協定。これから十勝のスタートアップ企業に、どんな影響があるのか?大きく期待が膨らみます!

動画(「LANDチャンネル」アーカイブ配信)

イベント当日配信された動画をアーカイブ視聴できます。是非ご覧ください!

リンク

株式会社エアシェア

株式会社VETELL(ベッテル)