十勝Z団(トカチゼットダン)

公益財団法人とかち財団

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2月7日に実施された「ベンチャーコミュニティ創造セミナー」のレポートをお届けします!

新ビジネスを急成長させ、比較的短期間でのIPO(新規上場)やM&A(合併・買収)によるEXIT(投資回収)を目指す「スタートアップ」企業。本会は、その資金調達手段の1つである「株式投資型クラウドファンディング」などについて情報提供を行い、十勝発の新ビジネスを加速させる「ベンチャーコミュニティ」の創造を目的として開催されました。

●主催:とかち財団、(株)日本クラウドキャピタル
●協力機関:帯広市、帯広信用金庫、フューチャーベンチャーキャピタル(株)

この日の会場は、とかち財団が運営するLAND。十勝の起業家(事業者)と、金融機関・支援機関に勤務する約50名が集まりました。

とかち財団の長澤理事長より開会の挨拶が行われ、いよいよスタート!

資金調達ツールの紹介

株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」の説明

(株)日本クラウドキャピタル 大浦代表取締役

誰もが起業できる世界を創りたい

大浦さん「インターネット上で、非上場企業の株主を募集するサービス『FUNDINNO(ファンディーノ)』を展開しています。本サービスは、“リターンを得るだけでなく会社の成長を楽しみたい”という投資家と起業家のマッチングを通して、ベンチャー企業の成長を支援する取り組みです。誰もがフェアに挑戦できる未来を創ることによって、地域活性化や日本経済の発展に貢献できると信じています」

「地方創生ファンド」の説明

フューチャーベンチャーキャピタル(株) 松本代表取締役社長

共感・感動のスモールビジネスを育て、日本を活性化する

松本さん「日本はかねてより、時価総額1,000億円以上の『ユニコーン』企業が極端に少ないことを指摘されていました。その一方で、急成長と独占的地位の確立を目指す『ユニコーン』のモデルに対し、永続性が高く他社と共存する『ゼブラ』企業が注目され始めています。今後は、ニッチ市場で競争力があり、共感・感動を生む持続可能な『スマートニッチ』が地域活性化のカギとなるでしょう。私たちは『地方創生ファンド』の運用を通して、地方における創業と事業承継を支援します」

事業説明+「地方創生ファンド」と「FUNDINNO」の活用説明

株式会社ALL YOURS 木村代表取締役

木村さん「購入型クラウドファンディングで資金を調達し、“着ていることすら忘れてしまう服”というコンセプトの下、洋服を開発・販売しています。これまで、CAMPFIRE(クラウドファンディング事業者)でプロジェクトを5回立ち上げ、アパレル部門の国内最高額を集めました。『FUNDINNO』では、約6時間で3,200万円の調達に成功しています。私たちは、いつも“ファンと一緒にどう面白くしていくか”を考えています」

クラウドファンディングや地域金融機関が出資する「地方創生ファンド」など、業種や地域に関係無く資金調達の手段を選択できることが分かりました。
ここで、トークセッションがスタート!

トークセッション1

ファシリテーターは大浦さん。スピーカーは米沢帯広市長、松本さん、木村さんです。

ベンチャーキャピタル出身の米沢市長が、口火を切ります!

米沢市長
「十勝を投資対象として見た時、基幹産業である農業の高付加価値化が不可欠だと確信しました。そこで、『アグリカルチャー』を『フードバレー』へとシフトすべく、チャレンジしたい人を支援する仕組み作りとコミュニティの創出に取り組んできました。先ほどご説明いただいたように、プロジェクトベースで資金調達ができるようになったことは、十勝の事業者にとっても大きな変化だと感じています」

松本さん
「同感です。そういった意味で、上場するメリットが少なくなってきているように思います。それに、地域活性化の観点からも、地方に“良い会社”を創ることが優先されるべきだと感じています。EXIT戦略を練ることは大切ですが、必ずしも急成長を目指す必要はないと思っています」

米沢市長
「企業の本質的価値について議論される時代になりましたよね。ファンと一緒に創る姿勢を持っていることが“良い会社”の条件なのかもしれません」

木村さん
「私は、株主さんから“俺の好きなALL YOURSでいてくれ”と言われたことがあります。それもあって、関わってくれるすべての人が幸せになる方法を模索し続けたいと思っています」

大浦さん
「確かに、企業価値の測り方が変わってきているという実感があります。これからは、属するコミュニティに評価されることが重要になってくるのではないでしょうか」

トークセッション2

スピーカーは、十勝清水コスモスファームの安藤代表取締役、(株)Fantの高野代表取締役、帯広信用金庫経営コンサルティング室の三品室長です。ファシリテーターは、引き続き大浦さんが務めます。

まずは、家業を継いだ安藤さんと創業者である高野さんから、それぞれの事業の説明と資金繰りで悩んだ経験などが語られました。そして、昨今は選びきれないほど補助金が増えていることや、日本政策金融公庫がスタートアップのための融資制度を設けていること、ファンドには期限があるため、経営者の覚悟が問われることなどが共有されました。

こうして、和やかに終了した本会。とかち財団では資金調達に関するご相談も受け付けているとの事から、今回の内容に興味がある方は是非相談してみてはいかがでしょうか?