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コラム

インターネット上でプロジェクトを公開し、プロジェクトの趣旨に共感した不特定多数から資金を集める「クラウドファンディング」。

日本で初めてのクラウドファンディングサービスが誕生したのは2011年。2014年には、非上場企業が小口の資金を投資家から募る「株式型クラウドファンディング」に関する規制が緩和されました。北海道では、帯広信用金庫がいち早くクラウドファンディング事業者と提携。2016年にクラウドファンディング支援サービスを開始しました。

日本国内で急速に拡大しているクラウドファンディング市場。数多くのプロジェクトが目標を達成する一方で、失敗するケースも珍しくありません。今回は、クラウドファンディングを検討する際に押さえておきたいポイントを岡山ひろみさんに伺いました!

岡山ひろみ

1987年札幌生まれ。早稲田大学を卒業後、株式会社サイバーエージェントに入社し、プロデューサー・マネージャーとして多くのWEBサービスやゲームを担当。その後札幌にUターンし、株式会社マクアケにてキュレーターとして北海道拠点立ち上げに従事。現在は、インタークロス・クリエイティブ・センターでコーディネーターを務めつつ、コワーキングカフェ・バー「大人座」でスタッフとして勤務。その傍ら、北海道中のローカルプレイヤーが出会うイベントを企画するなど、“誰かの新しい出会いをつくるお手伝い”に取り組んでいる。2020年、十勝・大樹町に移住予定。

1.多様な目的に活用できる

岡山さん:資金調達手段の1つとして世界的に広く認知されているクラウドファンディングですが、日本国内に限ると少し事情が違っています。2011年の東日本大震災がきっかけで浸透したという経緯から、プロジェクトに慈善的な動機が求められることがあるのです。しかし、それは不可欠な条件ではありません。重要なのは“共感を集められるかどうか”であり、多様な目的に活用できるものです。

活動資金集めのツールと思われがちですが、効果的な情報発信を行えば、全国にコアなファンを作ると同時に製品・サービス・自社のPRに活用できます。支援者数と金額が公開されるので、実績作りや新製品を販売する前のテストマーケティングのツールとしても有効です。

岡山さん:クラウドファンディングには「購入型」「寄付型」「貸付型」「ファンド型」「株式型」があり、各社が提供しているプラットフォームからプロジェクトの目的・特性に合わせて選べるようになっています。

岡山さん:現状、プロジェクトの多くは販売促進にも利用できる「購入型」で、ふるさと納税サイトのクラウドファンディングページなどで見かける社会的意義の大きいプロジェクトには「寄付型」が選ばれます。

2.クラウドファンディングはBtoCと相性が良い

岡山さん:開発した製品やサービスがリターンとなる「購入型」は、BtoCのビジネスモデルと相性が良く、大手メーカーがテストマーケティングのツールとして利用する事例も多いです。例えば、全く新しいコンセプトで設計されたガジェットの製造・販売に踏み切ろうという時、クラウドファンディングを利用することで市場の反応を事前に確認できます。設備投資の判断基準が得られ、不良在庫のリスクを回避できるのは大きなメリットだといえます。

「寄付型」は寄付金控除の対象で、実行者(起案者)は自治体かNPOなどが多いです。根室市がJR花咲線(釧路-根室間)の存続を目指し、ふるさと納税の制度を利用した事例では、約3億円が集まったそうです。

3.集まった資金の受け取り方

岡山さん:資金の受け取り方は、2つの方式から選択できます。1つ目は、「All or Nothing」方式。一般的には、目標金額に達しなければプロジェクト不成立となり資金は一切受け取れませんが、手数料を支払う必要もありません。2つ目の「All in」方式は、目標の達成にかかわらず1件でも支援があれば成立します。クラウドファンディング事業者には、集まった資金の10~20%を手数料として支払います。仮に100万円集まったならば、手数料は10~20万円です(クラウドファンディング事業者のWEBサイトなどをよく確認してください)。
現在の主流は「All in」方式です。「All or Nothing」方式は、最小ロットの製造にかかる費用を目標金額に設定した場合など、目標金額に到達しなければ成し得ないプロジェクトで選択されることがあります。

4.成功するか否かは「実行者」次第

岡山さん:クラウドファンディング事業者は複数あり、大手なら「CAMPFIRE」「READYFOR」「Makuake」の3社が全国的に有名です。社会貢献、ものづくり、地域密着など、それぞれ特色があり、手数料も各社で異なります。プロジェクトの申請から公開までの流れは、審査の有無や厳しさの違いはありますが、概ね同じです。

岡山さん:クラウドファンディング事業者を利用すると「キュレーター」と呼ばれる担当者のサポートを受けられる場合があります。プロジェクトページの文章作成からリターンの内容・金額設定、支援者への活動報告の方法まで、テクニカルなアドバイスを受けることができます。実行者にとって、キュレーターは頼れる存在です。とはいえ、まずは実行者がプロジェクトの目的(誰に対し何を行うのか)を明確にすることが大切です。“困っているのでお金がほしい”というような理由で始めてしまうケースが意外と多く見受けられますが、ぼんやりした意識で目標を達成できる可能性はゼロに等しいです。代表者が複数いるプロジェクトの失敗事例が目立つのも、意思決定に対する責任が分散され、曖昧な部分が残ることが原因だと考えられます。

また、成功のためには、プロジェクト公開後に“実行者がどれだけ周囲を巻き込み、情熱を伝えられるか”も重要です。一般的に、プラットフォームにより違いはありますが、最低でも目標金額の3分の1は実行者の直接の友人・知人から集めなければならないといわれています。

岡山さん:このようなクラウドファンディングの特性上、プロジェクトそのものと同等、あるいはそれ以上に“誰が実行するのか”が目標達成を左右する大きな要因となります。当然、求心力のある人物や芸能人などの知名度が高い人物が実行者となっているプロジェクトはスムーズに成功しやすいです。しかし、これは特異なケース!「有名人の〇〇さんの事例に倣いたい」という相談を受けることもありますが、目標達成への第一歩は自分自信を客観視することだといえます。地道な努力を惜しんではいけません。

こういった背景から、支援者の立場になって考えた上で“一生に一度”ぐらいの覚悟を持って臨みましょう。製造・販売・PR目的のプロジェクトで、リターンに突出した価値があるような場合は…全員がハッピー!理想的な姿だと思います。

5.ファン作りに有効

岡山さん:資金調達の手段として定着しつつあるクラウドファンディングですが、私が思う最大のメリットは、ファン作りや販売前のテストマーケティングに使えることです。特に、個人事業主や中小企業にとっては、コミュニケーションツールとしての利用価値が高いと思います。物理的制約を受けないインターネットの強みを活かし、プロジェクトの裏側を公開したり、ひとりひとりに感謝の気持ちを伝えたりすることで、提供できる“モノ・夢・楽しさ”などを広く拡散できるからです。一連の活動は共感を引き出すと同時に、支援者の満足度向上にもつながります。

岡山さん:農業を基幹産業とする十勝では、農産物を原料とした加工食品の開発プロジェクトなどが考えられますが、食品はガジェットなどに比べ単価が低いことから多額の資金が集まりにくい側面があります。他方、「美味しい」は幅広く共感を集めやすいので、使用する画像のクオリティを追及するなど、工夫次第で支援者を増やすことは可能です。クラウドファンディングの活用が、全国進出への足掛かりになればと思います!

十勝でクラウドファンディングを検討している方へ

十勝では、帯広信用金庫、北海道銀行、北洋銀行がクラウドファンディング各社と提携し、実施希望者の相談にも応じているので、興味のある方はお問い合わせを。また、スタートアップ支援スペースLANDでもコーディネートを行っているので、合わせて検討してはいかがでしょうか。


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