十勝Z団(トカチゼットダン)

公益財団法人とかち財団

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帯広・十勝に新しい風が吹き始めました。10月13日、札幌を基盤とするベンチャーキャピタル、株式会社POLAR SHORTCUT主催のイベント「TOKACHI×STARTUP スタートアップに関心ある人大集合!」が、帯広のスタートアップ支援スペース「LAND」で開催されました。スタートアップや新たな挑戦への関心がある参加者25名が集合。起業への一歩を踏み出す人、十勝の可能性に期待して帰る人など、ゲストと参加者の交流も大いに盛り上がりました。


十勝は新しいビジネスのアイデアを育む土壌を持つ


「TOKACHI×STARTUP スタートアップに関心ある人大集合!」は、登壇者のPOLAR SHORTCUT代表 大久保徳彦さん、帯広の起業家でフットサルチーム「ソルプレーサ十勝」を運営する大久保航也さん、STARTUP HOKKAIDOの田中美帆さん、MIJ laboのFernando Ursineさんを、モデレーターであるSAPPORO Incubation Hub DRIVEの中野智文さんが進行する形で行われました。

まずは、スタートアップとは何か、というテーマからオープニングセッションがスタート。

登壇した大久保徳彦さんは、起業とスタートアップの違い、そしてスタートアップの本質について解説。その中で、起業家教育の第一人者であるスティーブ・ブランク氏の言葉を引用し、「スタートアップはスケーラブルで再現性のある利益を生み出すビジネスモデルを探索する一時的な組織である」と説明しました。簡単に言えば、スタートアップは拡大を運命づけられたプロジェクトであり、これが起業家たちにとっての大きな目標であること。

また、北海道のなかでも帯広・十勝は「スタートアップの新しいハブとして注目されている」と強調した上で、大久保さんによれば、北海道内でスタートアップとされる企業は約60社あり、その中でも十勝地方は特に活動が活発で、インターステラテクノロジズ、ファームノート、農業情報設計社、エアシェア、Fant、フォレストデジタルといった6社が存在。これは、十勝が新しいビジネスのアイデアを育む土壌を持っていることを示していると話しました。

ベンチャーキャピタル出身の帯広市長が牽引


さらに、地域の支援体制についても触れ、イベント会場となった「LAND」は北海道内でも有数のインキュベーション施設で、とかち財団のコーディネーターが常駐し、事業相談対応や様々なイベントを通じて新たな事業の創出を支援していると評価。

他にも、帯広信用金庫が主催する事業創発プログラム「とかち・イノベーション・プログラム(TIP)」の存在にも触れ、「TIPは今年で9年目を迎え、新規事業や起業家を多数輩出している。この成功は、帯広市の米沢市長がベンチャーキャピタル出身者であることが影響しているのでは」と解説しました。

その後、モデレーターの中野さんが「皆さん、スタートアップについて理解が深まりましたか?」と問いかけ、トークセッションへ。

トークセッション①:帯広・十勝での起業の実例と共創の可能性


トークセッション①では、特別な技術や突出したアイデアがなくても成功するスタートアップの実例を紹介。セッションは、ソルプレーサ十勝の大久保航也さんの話から始まりました。

大久保航也さんは、以前はプロのフットサル選手として活動していましたが、地域創生を目指して起業家に転身した経歴を持ちます。彼は「ソルプレーサ十勝」というフットサルチームを運営しており、スポーツを通じて地域の活性化を実現しようとしています。また、飲食店やITコンサルタントとしても活動するなど、多岐にわたるビジネスチャンスを探求しています。

セッションでは、大久保航也さんとソルプレーサ十勝のトップスポンサーでもある大久保徳彦さんの共創の事例について紹介。徳彦さんはスポーツクラブ経営に以前から興味を持っており、LANDで開催された相談会がきっかけで航也さんと出会い、その縁からソルプレーサ十勝のビジネス開発や資金調達に関するアドバイザーとして参画。この共創により、チームは北海道で1番強いクラブへと成長しました。

現在、チームは北海道で1番強いクラブになりました。当初15人だったメンバーも42人まで増えました。スポンサーも、3社から30社に増えました。成長期でどんどん変化するなか、徳彦さんのアドバイスは本当に心強いですね」(航也さん)

また、徳彦さんは独自の「共同創業型投資」のアプローチについても語ります。

「従来のスタートアップ投資とは異なり、ある特定の業界での経験が豊富で課題感を深く理解していても起業にあまり馴染みのない方と、起業前から提供するサービスやソリューションに関する議論を重ね、起業するタイミングで投資を行うことで、新しいビジネスの可能性を創出しています。それが共同創業型投資ですね」(徳彦さん)

いかがでしたでしょうか。このセッションは、帯広・十勝での起業と共創のチャンスを具現化する貴重な実例を提供。ダブル大久保さんたちの話は、特別な技術や突出したアイデアがなくても、地域の課題に向き合い、地域社会に貢献するビジネスを構築することが可能であることを示しました。

2人の事例は、共創と地域コミュニティのサポートが、個々の起業家だけでなく、地域全体の成長と繁栄にも貢献できる強力な力であることを明示しています。

トークセッション②:帯広・十勝から世界への扉を開く


トークセッション②では、地方からグローバルへと視野を広げる方法に焦点が当てられました。進行役の大久保徳彦さんとゲストの田中美帆さん、フェルナンドさんが登壇し、地方企業の海外展開とそのチャンスについて熱く語りました。

田中さんは、北海道、札幌市、北海道経済産業局が連携し、北海道スタートアップエコシステムの実現に向けて今年9月に立ち上がった「STARTUP HOKKAIDO」において海外のスタートアップを日本に呼び込むプロジェクトをリードし、また、北海道内のスタートアップを海外に紹介する活動を展開しています。彼女は、海外の起業家向けに日本でスタートアップを始める際に取得可能な「スタートアップビザ」の立ち上げにも尽力しており、これによりインドやノルウェーの起業家が北海道で事業を開始したことを語りました。

一方、ブラジル出身のフェルナンドさんは、帯広畜産大学と一般社団法人ミート・イメージ ジャパンが培った、最新の画像解析技術を用いた肉質評価技術と枝肉撮影専門カメラの畜産業界での実用化を目指し、最先端の仕組みを構築する企業「株式会社MIJ labo」で働いています。彼のプロジェクトでは、日本国内はもちろん、和牛生産大国であるオーストラリアとも共同開発を進めており、まさにグローバルな展開を見据えた活動を行っています。

田中さんはまた、北欧と北海道の起業家を繋げる取り組みを進めており、両地域の親和性を基に新たなビジネスエコシステムを形成する夢を語りました。最後には、2024年1月29日から2月2日まで開催される「Hokkaido Innovation Week」についても紹介し、「このイベントを通じてスタートアップがもっと身近に感じられるはず」と参加を促します。

トークセッション②は、帯広・十勝での起業家が地元のリソースを活用しながらも、グローバルな視野を持って事業展開することの重要性と可能性を示しています。田中さんとフェルナンドさんの経験は、北海道や帯広・十勝が国際的な協力とイノベーションの場であることを明らかにし、起業家やスタートアップにとって新しいチャンスが広がっていることを示唆しました。

来年開催される「Hokkaido Innovation Week」は、帯広・十勝のスタートアップエコシステムをさらに推進するプラットフォームとなることでしょう。ぜひ、参加したいですね。

交流会と参加者の声


セッション終了後は、ゲストを中心にいくつかの輪になって交流会。すでに自身で事業を多なっている方も、今後の起業を目指している方も、自身の思いや課題をゲストにぶつけていました。

以下に、参加者の声を抜粋します。

「地元帯広での起業の可能性を改めて感じることができました。特に、地元のリソースを活用しながらも、国際的な視野を持って事業展開を考えることの重要性が語られていたことが印象的でした。これまで起業は遠い存在だと思っていましたが、十勝には起業を応援するエコシステムや機関があることを知り、自分にも何か新しいことを始めるチャンスがあると感じるようになりました」(30代男性)

「スタートアップに必要なのは特別な技術やアイデアではなく、地域や社会の課題を解決しようとする強い意志だと知ることができました。これには大いに共感し、自分も地元で何か価値を提供するビジネスを始めたいと強く思いました。地元のネットワークを利用しながら、少しでも社会に貢献できる事業を立ち上げたいと考えています」(20代男性)

「フェルナンドさんの和牛サシ解析技術の話は、地元の資源を活用し国際的に展開する素晴らしい例でした。地元の資源とグローバルな視野をどのように組み合わせるか、深く考える良いきっかけになりました」(40代女性)

「本当に目の前が開けた感じ。地元帯広でこんなにもスタートアップの可能性が広がっているなんて知らなかった!」(40代女性)

「田中さんの海外スタートアップ支援の話を聞いて、国際的に活躍するチャンスが地元にもあるんだと感じた。北海道イノベーションウィークの告知もあり、更に地域での起業・イノベーションの波が高まっていくのが楽しみ!」(30代女性)

「女性起業家の参加者も多くて、とても刺激を受けました。自分も何か始めてみたいと思えるイベントでした」(40代女性)

「ダブル大久保さんたちの共創の話は印象的。異なるバックグラウンドを持つ人々が集まり、一緒に何かを作り上げるのは本当に魅力的です」(30代男性)

「スタートアップビザの話は新しかった。外国の人たちも帯広でビジネスを始めやすくなっているのは良い進展だと思う」(30代女性)

「こういうイベントはもっと多くの人に知ってもらいたい。地元での起業や新しいプロジェクトに対する意識が高まってほしい」(30代女性)

参加者の反応は非常に好意的なものでした。地元での起業や新しいプロジェクトに対する意識と興味を深めることの重要性を再確認したイベントであり、特に地元の資源を活用しながらも国際的な視野を持って事業展開を考える重要性が強調されました。

今回のイベントでは、十勝が環境面でイノベーションを起こす絶好の場であることが明らかにされ、地元の起業家やスタートアップにとって新しいチャンスと可能性を示しました。今後、十勝のスタートアップエコシステムの成長と拡大を期待したいと思います!


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