十勝Z団(トカチゼットダン)

公益財団法人とかち財団

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2021年1月23日、「ちくだいスタートアップ体験プログラム」の第7回が開催されました。しばらくオンラインでの開催が続いていましたが、今回は会場を帯広畜産大学に戻し、久々に学生同士が顔を合わせての講義となりました。

「ちくだいスタートアップ体験プログラム」とは
本プログラムは帯広畜産大学の学生を対象に、ビジネスを一から立ち上げる「スタートアップ体験」をしてもらう事を目的に、全8回にわたる内容で構成。 最終的な目標として2月開催予定の「ビジネスプランコンテスト」に向け、帯広畜産大学、帯広市、とかち財団LANDの連携事業として実施されます。

過去のレポート

2021年2月27日に開催予定の「ビジネスプランコンテスト」を残し、今回が最後の講義となります。前回の講義からちょうど1ヵ月。この間、学生の皆さんはオンラインを通じてグループ間で話し合ったり、講師の方にアドバイスを求めながら、それぞれ自分のビジネスプランを練ってきました。

まずは、株式会社エントライズマネジメント野村さんから、「皆さんが考えたビジネスプランを、本番と同様の8分間で発表してもらおうと思います」と説明があり、プログラムがスタートしました。

ビジネスプランシートの発表

発表者は、講師と学生の皆さんを前に、自分が作成したビジネスプランシートの発表をします。8分間の計測が始まると、会場は緊張感に包まれました。

時間をかけて1つのプランを練ってきた学生や、途中で方向転換し新たなプランで発表に挑む学生、中には実際に何度も試作品を作り、商品開発まで取り組む学生もいました。

発表が終わると、講師の野村さん(株式会社エントライズマネジメント)、北村さん(株式会社グロッシー)、斎藤さん(帯広市役所)、高橋さん(とかち財団)、西本さん(とかち財団)から、プランについてコメントがありました。

食品系のプランには「売り場となるスーパーやコンビニは大手の牙城、実際に売るためのステップを明確に」や、新たな映画館を作るというプランには「最新の技術を追うのではなく、快適な空間作りに照準を当てるのはどうか」など、具体的なアドバイスが送られます。

講師に続いて他の学生からも、「朝市で売ってみてはどうか」「カップ麺とか常備してもらえると嬉しい」「もっと競合他社との違いが明確にあると良い」など、プランに厚みを出すアイディアをフィードバックします。

すべての学生の発表が終わると、野村さん(株式会社エントライズマネジメント)から「いよいよ次回が本番となります。プランを練ることも大事ですが、8分間で行う『発表』もグループで時間を取って練習してください」と、アドバイスがありました。

講師/株式会社MEMU EARTH HOTEL 野村 昌広さん

後半は、大樹町で寒冷地実験住宅「メムメドウズ」をホテルへとコンバージョンさせたメムアースホテルを運営している株式会社MEMU EARTH HOTEL 代表取締役社長の野村 昌広さんが登壇。学生の皆さんは、昨年10月に実施したフィールドワークの際に、当ホテルを見学しています。

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最初に、「まずは10月のフィールドワークを思い出して欲しい」と、会場の照明を落とし、虫の鳴き声や雨音など『自然の音』を収録した音楽を流しました。

「メムアースホテルでは、この自然が作り出す音もひとつのサービスとして提供したいと考えている。本質的な豊かな時間とは、自然の中でこそ感じられる。それをお客様に伝えたい」と、ホテルのコンセプトを改めて説明。また、野村さんにとって『ホテル経営』は手段であって、目的ではないということも話してくれました。

そして、今日はこれだけ覚えていって欲しいと言い、『START WITH WHY?』という言葉をスライドに映し出します。

「皆さんは、これから何度も何度も悩みや迷いに出くわすと思う。そんなときに、自分がなぜこのビジネスを始めたんだろう?ということをハッキリさせておくと、そのとき迷わなくなる。皆さんにとっての『START WITH WHY?』を考える時間…つまり、今この時間を大切にして欲しい」と、学生に語りました。

講師/株式会社グロッシー 北村さん

最後に登壇したのは、株式会社グロッシー 代表取締役の北村 貴さん
『毎日のテーブルにストーリーを』というテーマで様々なフードプロデュース事業、さらに地域づくりと人材育成にも力を注いでおり、40歳以上のセカンドキャリアの方と地域のマッチングなど、関係人口作りをテーマとした事業も展開。

これまでたくさんの事業を手掛けている北村さんは、自分と社会のモチベーションをどうやってリンクしていくか、ということを常に考えていると言います。

また、「人がやっていない事をやりたい」という北村さんは、子供のころに『僕の前に道はない。僕の後ろに道ができる』という高村光太郎の詩に衝撃を受けて以来、この言葉を今も変わらず大事にしていると話してくれました。

さらに、「自分のやりたい事を、真剣に練り上げていくと必ずビジネスパートナーが現れる。だから、やりたいことは常に誰かに話すようにしている」と言い、そして共感してくれたパートナーが現れた際にプランを事業化し会社を立ち上げていることなど、自身のビジネスの取り組み方を教えてくれました。

これまで当プログラムを見守ってきた北村さんから最後に、「正直、みんなの計画はまだまだ物足りない。私たちがサポートするので、世の中に通用する良いプランにしましょう!」と、学生を鼓舞しました。

参加者の声

本プログラムの参加者にお話を聞いてみました。

ナナさん(3年)

今回の講義では、メムアースホテルの野村さんの「START WITH WHY?」の話が印象的で、問題にぶつかった時に『自分の立ち返る場所』があることが、とても大事なんだと知りました。正直、最初はなんとなくこのプログラムに参加したのですが、なぜ自分が参加しようと思ったのか、ということをきちんと考え直すことで、それが自分の立ち返る場所になるのかなと思いました。これからは日記などを付けようかなと思っています。

今回説明したビジネスプランのシートを作成するにあたって、もっと講師の方と相談すれば良かったなと思いました。残りの時間で、もっと自分から色々質問して、お金の面などプランに現実味を出せるようにしたいです。

さぁ、次回はいよいよ「ビジネスプランコンテスト」本番です!
これまでの講義で学んできたこと、そしてこれまでたくさんの十勝経済人の皆さんが話してくれた経験やアドバイスを、自分のビジネスプランに落とし込み、いかに昇華させるのか!今から楽しみです!


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