11right農機具メーカーの長男に生まれた横山さん。創立38年目の1989年、38歳の時に2代目社長に就任。現在は、農業・食品関連の各種機械の製造、地元企業と共同で生産ラインの開発などを行う。十勝銘菓として知られるバームクーヘン用のオーブンや、菓子トッピング装置など、安くて美味しい十勝の菓子産業を縁の下で支える。少数精鋭の結束力・機動力を発揮し、“妥協しないものづくり”と“メンテナンス力”で顧客と揺るぎない信頼関係を築いている。 12left■叩き込まれた、完成度「100%」魂 横山さん:「洋服を選ぶ時、ボタンが取れかかっていたり、糸がほつれていたりする製品を買いたいと思うか?」と先代がよく言っていたんだよね。それが、ずっと頭に残ってる。うちは部品での出荷はほとんど無くて、最終製品を作って納めているんだけど、ちょっとした部分、細部まで手を抜かないよ。食品機械は、2週間かけて鏡のように磨いて仕上げる。使う人が怪我をしてはいけないから、表面を素手で撫でて最終確認をするんだ。店頭に並んでいるお菓子が、うちの機械で作られていると思うと、嬉しいよ。 13center ■「手先の器用な少年」職人になる 横山さん:子どもの頃から、手先を使う細かい作業が好きだったね。プラモデルとか、木を削って模型も作ったな。高校時代からは絵もやってる。この事務所に飾ってある絵は、自分で描いたものだよ。工場にある機械の中だったら、旋盤(素材を回転させながら切ったり削ったりする機械)が一番好きだな。職人技が必要で、他に使いこなせる人がいないのが悩みでもあるんだけどね…死ぬまでやらないと! 15left■世界で一つの、ものづくり 横山さん:「まず、やってみる」精神を大事にしているんだ。設計図より、試作品を見せた方がお客さんも実感がわくしね。大手機械メーカーでは対応できないような、細かな注文にも応えてきたから、新しいものや“世界で一つのもの”、作れるよ。それに、とかち財団に電子制御系の相談をするようになってからは、仕事の幅がものすごく広がって、今まで断ってきた仕事も積極的に受けられるようになったんだ。今は1週間に2~3回、海外から問い合わせがあるよ。中国の企業とはバームクーヘンオーブンの販売代理店契約にも結びついたんだ。 ■信頼関係が、「幸せ」 横山さん:朝、従業員の顔を見ると“ん?これは家庭で何かあったな”ていうのが、分かるんだ。心の状態が事故や怪我につながることもあるから、そこまで踏み込むよ。会社は、従業員がいて成り立っているからね。信頼できる彼らがいてくれるおかげで、会社を空けて海外にも行けるし。本当に、幸せなことだよ。公私ともに支えてくれる妻は、毎朝笑顔で送り出してくれる。たとえ喧嘩をしていても、こっちが返事をするまで「いってらっしゃい!」と声を張り上げるんだ(笑)。そこまでされたら、さすがに仲直りするよね(笑)。 16center 仕事に厳しい父だった。足元にも及ばないよ。今67歳だから、自分が死ぬまでに追いつけるかなぁ? ■お問い合わせ 有限会社横山鉄工 【住所】帯広市西17条南1丁目15 【TEL】0155-33-3511 【FAX】0155-33-0604 【Mail】monmon@snow.plala.or.jp 【公式サイト】http://www.yokoyama-works.jp
レポート 2024-11-15228 十勝発、未来を切り開くビジネスイベント「KAIKON -開墾-」レポート【前編・KAIKON TOKACHI CARAVAN】 #起業・創業 #レポート #トカチコネクション