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2月3日に実施された「かみしほろ起業塾STEP3」のレポートをお届けします!

「かみしほろ起業塾」とは
上士幌町・十勝の地域資源を活かした起業・第二創業・新規事業立ち上げ支援を目的とし、2018年よりスタートした3 STEP全6回※に渡るカリキュラム。参加者は、新規事業立ち上げに関心のある地域内外から集まった15~20名。講義やワークショップ、ディスカッションなどを通し、ローカルビジネスを生み出す柔軟な思考力を鍛える。

※STEP1:7月28日、29日 / STEP2:10月13日、14日 / STEP3:2月2日、3日

2018年4月末、十勝管内19市町村唯一の人口増となった上士幌町。なんと転入者の84%が20代~40代の働き盛りなのだそうです。このような背景から、“新しいことにチャレンジできる町”への整備を進めるべく「かみしほろ起業塾」を開講したのだとか。2018年度最終回となる今回は、前日に引き続き、ワークショップデザイナーのタキザワケイタさんによるワークショップが行われました。

タキザワケイタ
大手広告代理店に在籍しながらワークショップデザイナーとしても活躍中。新規事業、商品開発、組織開発など、大手企業が抱える課題解決のため、枠にとらわれない自由な発想でワークショップを実践している。大学や建築設計事務所で養った人間心理・行動に対する深い理解が、ワークショップデザインのベースとなっている。
ワークショップデザイナー・サービスデザイナー、一般社団法人PLAYERS主宰、&HAND プロジェクトリーダー、LEGO® SERIOUS PLAY® 認定ファシリテーター

12名が集まったこの日。まずは、個人で取り組む課題からスタートしました!

個人課題【30Circles Challenge】

参加者各々、30個の丸の中に“丸から連想した物体(てんとう虫や風船など)”を描いていきます。制限時間30秒の間に、できる限り描き出します。

タキザワさん「アイデアは、手を動かさなければ出てきません。また、良いアイデアには発想量が必要です。使えないアイデア100個に、良いアイデアが1個生まれるぐらいの頻度でしょう」

個人課題【アイデア×マラソン】

3分毎に変わる「テーマ」と「上士幌町」をかけ合わせ、アイデアを出し続けます。

タキザワさん「遠く離れたテーマを掛け合わせて強制発想を促し、見慣れたモノに新たな価値を見出します」

アイデア出しを9回繰り返した後、参加者同士でシェア。付箋で互いのアイデアに投票します。5票以上集めたアイデアは、とても自由で個性的でした!

グループ課題【ビジネスプランの再考】

4つのテーマで5グループに分かれ、プレゼンテーションまでにビジネスプランを考えます。3分間のプレゼンテーションでは、以下の項目を網羅した発表を行います。

項目:タイトル、概要文、ターゲット、提供する価値・体験、参考となる類似サービス(差別化の内容)、ビジネスモデル、ロードマップ、やることリスト

ターゲットが求めている価値について話し合うグループや、社会に与えるインパクトについて考えるチームなど、グループ毎に熱いディスカッションが交わされます。

そして、いよいよプレゼンテーションが始まりました!

グループ課題【ビジネスプランのプレゼンテーション】

●WINTER EXTREME
「上士幌町は、夏に比べ冬の遊び場が限られています。凍った糠平湖の上を歩いたり、アイスバブルを水中から撮影したりするなど、“ここでしかできない体験”を提供します」

●ドライブスルーツーリズム
「糠平温泉の温泉を活用した“プレミアム足湯キット”を販売します。車から降りることなく、好きな場所まで移動して足湯を楽しめるサービスです」

●農場ドライブツアー
「農家さんの農作業をお手伝いし、畑で収穫した新鮮な野菜を食べたり、牧草ロールに寝そべって星空を眺めたりするツアーです」

●高齢者レンタル家族B
「家業を持つ地方の高齢者と、田舎暮らしに興味のある若者をマッチングするサービスです。高齢者は孤独感を解消することができ、若者は交通費のみの負担で田舎暮らし体験ができます」

●高齢者レンタル家族A
「地方の単身高齢者に、疑似孫(若者)を派遣し、食事や会話を通してあたたかいコミュニケーションを提供するサービスです。上士幌町を本事業のモデル地域にします」

こうして5グループすべての発表が終了。自分のグループ以外に投票します。

参加者達からは、今回のワークショップを振り返って「手を動かし、アイデアを出してみることが大事だと分かった」「人との出会いが、狭くなっていた視野を広げてくれた」「アウトプットを集中的に鍛えていきたいと思った」などの感想が発表されました。

かみしほろ起業塾 塾長 松井さん((㈱アルプス技研 創業者 取締役会長)からのメッセージ

「成功者の共通点は、人並み外れた一生懸命さと、企画力と実践力が一致していることです。そして、優れた経営者になるためには、無駄なプライドに振り回されず、合理性や感性を重視した決断を積み重ねていくことが大切です。
今回のワークショップは、発想を豊かにする勉強会だったと思います。次世代の起業家を応援していきたいと思っていますので、私を見かけたらいつでも呼び止めて相談してください」

ものすごいスピードで個人の思考が可視化し、シェアされていくワークショップ。終始活発なやり取りが行われ、参加者達のエネルギーに圧倒された1日でした。

2019年も「かみしほろ起業塾」が開催される予定だそうです。人口5,000人の町から新しいビジネスが生まれることを想像するとワクワクしますね!これからも上士幌町から目が離せません!