十勝Z団(トカチゼットダン)

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2021年7月28~31日にかけてLANDで実施された、十勝の高校生を対象とした課題発見・解決プログラム「Tokachi EGGs~本気(ガチ)の社会科見学~青春しない?~」のレポート(後編)をお届けします!

前回のレポート 高校生が企画!「Tokachi EGGs~本気の社会科見学!」レポート(前編)

プログラム3日目。
LANDに集合した参加者は、全員で帯広信用金庫中央支店へ向かいました。

【講話】 帯広信用金庫 / 脇本 花菜子さん

帯広信用金庫・地域経済サポート部脇本 花菜子さんから、信用金庫の地域での取り組みについてお話を聞くことができました。

帯広信用金庫 / 脇本 花菜子さん

脇本さんは、学生時代に「外の世界を見てみたい」、「社会を知りたい」との想いから、1年間に渡る交換留学を体験。また、進学先が帯広畜産大学だったことで、農家や経営者と接する機会が多く、その方々が抱える「課題」を自分がサポートしたいと思ったことが、信用金庫へ就職したきっかけだと教えてくれました。

さらに、信用金庫の役割や、銀行との違い、そして地域で主体的に動く人材を育てる「TIP(とかち・イノベーション・プログラム)」についても説明があり、実際に「TIP」に参加経験のある明日見 和佳さん(柏葉高校3年)から、「TIP」の様子や雰囲気などが参加者に伝えられました。

明日見 和佳さん(柏葉高校3年)

【講話】 馬車BAR / 永田 剛さん

LANDに戻ると、次は帯広で「馬車BAR」を運営している永田 剛さんが登壇。自身がどういった経緯で事業を始めたのかを話してくれました。

「馬車BAR」運営 / 永田 剛さん

自分では(馬車を引く)馬を扱うことができない永田さんが、いかにして「馬車」を事業にすることができたのか。「全て自分でやらなくてもいい。自分が出来ないことも、それができる人を協力者にすればできる」と、永田さんが「TIP」に参加して、仲間づくりをした経験を参加者に伝えました。

そして参加者は外に出て、実際に「馬車BAR」に乗車することに。参加者からは「一番楽しみにしていた」という声が聞けました。

『パッカ…パッカ…』と心地良い蹄の音を鳴らしながら、輓馬(ばんば)・ムサシコマの引く馬車が、帯広の街中を進みます。

乗車中も永田さんから、馬車を引く輓馬のことや、これまで乗車した観光客の様子などの話がありました。
参加者のほとんが馬車に乗るのが初めてといい、普段見慣れた街を馬車で移動するという、特別な体験をしました。

LANDに戻った参加者は、早速、チームでのディスカッションを再開。
「そもそも十勝の魅力って何?」、「リアルな出会いが少ない」、「暮らす地域のことを知らないのが課題では?」など、各チームの議論はヒートアップ。

作業の早いチームは、最終日に発表する資料の作成を開始。
「背景はこっちの方が良くない?」、「タイトルは手書きの方が良い、○○さん書いて!」など、まるで学校祭の準備の様に、皆楽しんで作業しているのが印象的でした。

プログラム終了の時間いっぱいまで作業を続ける参加者

最終日!発表資料作り

プログラム4日目。
最終日となるこの日は、この後行われる「発表」の資料作りを行いました。
発表に足りない情報を補うために、SNSでアンケートを取ったり、自主的に街頭インタビューに向かう積極的な姿には、4日間ずっと参加者を見守ってきたメンターも目を細めていました。資料が完成したチームは発表までの残り時間でプレゼンの練習をするなど、余念がありません!

発表(初めてのプレゼン!)

時間になり明日見さんから、
「皆さんにとっては、初めて公の場でのプレゼンになると思います。ワクワクするプロジェクトを考えてくれたと思うので、皆に伝わる様に発表を頑張ってください!」
とエールを送り、各チームの発表がスタートしました。

「帯広に遊び場を作っちゃおうぜプロジェクト」チーム

「十勝に遊ぶ場所が少ない」ことを課題に設定したチームからは「帯広に遊び場を作っちゃおうぜプロジェクト」と題して、普段あまり触れることない、非日常的なスポーツや遊びが体験できる施設を作るという解決策が提示されました。

「全員が街を知り活発になる社会プロジェクト」チーム

「みんなが街(帯広中心街)や遊びの選択肢を知らない」ことを課題にしたチームは、大人(企業・行政)が発信する情報は、高校生が一番触れることの多いSNS(インスタグラム)での発信がほとんどない点に注目し、学生が見るためのSNSアカウントを運営し情報発信、さらには「広小路(帯広のアーケード街)」で学生主体のお祭りを開催するというアイディアを発表。

「学生×食 ~ 食で繋ぐ地域の輪プロジェクト」チーム

「学生が十勝の魅力をわからず、知る機会も少ない」ことを課題にしたチームからは、「学生×食 ~ 食で繋ぐ地域の輪」と題して、十勝の食材を使った商品が入った自動販売機の設置、学生限定のランチパスポートの発行や、学生発の商品開発など「食」に関する様々な解決策が発表されました。

「高校生同士が気軽に出会える・交流できる社会プロジェクト」チーム

最後に発表したチームは、アポなしで動物園に行き、園長さんに話を聞いてしまう程の行動派。そこで聞いた「中高生の来園数が少ない」という動物園の課題と、自分たちが抱える「出会いが少ない」、「友達が欲しい」という課題を、合わせて解決を目指します。課題の解決策は「高校生が動物園で出会い交流しよう」と題して、動物園内で「サバイバルゲーム」や「宝探し」、さらには夜に観覧車をライトアップさせてSNS映えのするスポットを作り来園者数を増やすなど、自由なアイディアが発表されました。

各チームの発表が終わると、4日間一緒に活動し見守ってきたメンターから、発表についての感想と、チームのメンバーに向けてメッセージが伝えられました。参加者の成長ぶりにメンターが目頭を熱くする場面も。

エンディング!

本プログラムの企画を協力した、とかち財団浜田洋平さんから
「今回、皆さんが4日間かけて体験した『課題を探して解決策を考える』ということは、起業家が普段から取り組んでいることと同じです。そういった意味で、皆さんは起業家のタマゴです。この先、(管外へ)進学してもこの十勝に戻って、この地域の課題解決のために、就職・起業してくれたら嬉しいです」
と期待を込めた挨拶がありました。

企画を協力した浜田さん(とかち財団)

そして、本プログラムの仕掛け人である明日見さんから、
「最初はこのプログラムが上手くいくか不安もあったが、参加してくれた皆が本当に楽しそうに取り組んでいる姿を見て本当に嬉しかった。日を追うごとに『本当に高校生ですか?』と思うくらい素晴らしい議論をしていた。私たち高校生が持ってる力って凄いと感じた。」
と感想を述べました。

企画の仕掛け人の明日見さん(柏葉高校3年)

最後に、運営スタッフが4日間撮りためた映像と写真で作った「エンディングムービー」を鑑賞して、参加者全員でこのプログラムを振り返りました。

このコロナ禍で、自由な行動を制限されている高校生。
そんな彼らが今回、大人を巻き込んで自分たちが活動する場所を作り、そこで仲間と全力で楽しむ姿を見ることができました。
今回のプログラムを体験し「社会課題」の片鱗に触れた彼らが、これからどんな行動を起こしていくのか、とても楽しみです!

「Tokachi EGGs」参加者の皆さん


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