十勝Z団(トカチゼットダン)

公益財団法人とかち財団

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2021年3月2日、帯広LANDにて、「令和3年度とかち財団学生起業家育成奨学金事業 ビジネスプラン報告会」が開催されました。

とかち財団学生起業家育成奨学金事業とは
本事業は十勝の産業振興の発展に寄与することを目的とし将来事業を起こすことを目標とする学生に奨学金を給付するものです。今後本事業を通じてビジネスプランの磨き上げを図り、起業家精神を持った学生を十勝に輩出することを目指します。

はじめに、とかち財団・執行役員事務局長・森川さんから開会の挨拶がありました。司会進行は、とかち財団・山口さんが務めます。

(左からとかち財団・森川さん、同・山口さん)

採択者によるビジネスプラン報告

当事業の採択者が、昨年の7月から約9ヵ月間に渡り活動してきたビジネスプランの最終報告を「ビジネスプランの変化と成長」、そして「自分自身の変化と成長」という2つのテーマで発表します。

井尻葉月さん(帯広畜産大学2年)「RICE CUBE」

事業概要

お米でできた一口サイズのおやつ「RICE CUBE」の開発・販売

活動報告~ビジネスプランの変化と成長

採択時のビジネスプランは、中に十勝産の納豆が入った、お米で作るお饅頭「なっとーはん」というビジネスプランだったが、活動途中で、中の具を納豆にこだわらず、コンビーフやチーズ、あんこ、ドライカレーなど十勝の食材を使用した一口サイズのお米のおやつ「RICE CUBE」に変更。

9ヵ月間の活動では、主に小さな子供を持つ親にヒアリングやアンケートの実施、栄養士の方への取材を実施。様々なアドバイスや調査結果からフィードバックした試作にチャレンジした。現在は、市場調査やヒアリングによりニーズを調査している段階。もっと試作を続けて今後は、試験販売や実際に販売することが目標。商品化のチャンスが来たらすぐに掴めるように準備をしたい!

自分自身の変化と成長

9ヵ月の活動を通して、食品の知識、ビジネスやスタートアップに関する知識など多くを学んだ。自分のやりたいことがあるときに、小さなことでも行動を起こすこと。そして人と話してどんどん周りの人を巻き込んでいくということを、これからも大切にしていきたいと思う。

担当メンターから一言

担当メンター:とかち財団・山口さん
井尻さんは行動力がとにかく凄かった。当事業への応募時にすでに商品の試作までできていたが、アドバイザーのメンタリングや講義を受けてヒアリングの重要性を学ぶと、次はそこに注力して取り組んでいた。起業家精神という部分でとても成長したと感じた。

アドバイザーから一言

この日オンラインで参加している当事業のアドバイザー山崎清昭さんから、発表者に感想とアドバイスがありました。

アドバイザー:山崎さん
プログラムを重ねるたびに、自分のプランにどんどん自信がついていくのがわかった。今後もし上手くいかない状況になったときは、勇気を出してピボット(方向転換)していくことが必要。

大山穂果さん(帯広畜産大学2年)「燻る畜大生のきらきらを加速させる場づくり支援プロジェクト」

事業概要

帯広畜産大学の学生と十勝の企業を繋ぐ新たなコミュニティの創出

活動報告~ビジネスプランの変化と成長

 

採択時は、防風林を利用してイルミネーションスポットを作り、十勝に新しい冬の長期イベントを開催するというビジネスプランから、この9ヵ月で大きく転換。現在は「燻る畜大生のきらきらを加速させ、十勝のエンゲージメントをアップさせる」という、いま自分が本当にやりたいことにプランを変更。

実際に学生にヒアリングをして「卒業後のキャリアについて効果的な情報収集の場がない」という学生の問題と、十勝の企業が抱える「地元にいる優秀な学生と繋がることができない」という悩みに注目。同じ悩みを抱えている学生を集めて「人材プール」を形成し、十勝の企業と繋がれる場を作り、双方の悩みを解決していきたい。現在はアイディア検証の段階。

自分自身の変化と成長

活動していくなかで、自分の中に納得感の強い「核」を見つけることができた。プランは大きく変わったが、やりたいことが見つかったことで、最後まで楽しんで事業に取り組むことができた。自分の活動を応援してくれるたくさんの周りの人に支えられて、やっぱり十勝が好きだな!と再確認できた。

担当メンターから一言

 

担当メンター:帯広市経済企画課・田中さん
大山さんは成長欲があり熱量も高いので、見守るだけで良かった。ビジネスプランは大山さん自信の痛み(悩み)でもあるので、是非実現していただければと思う。

アドバイザーから一言

アドバイザー:山崎さん
この事業の本質は、実際に学生のコミュニティーを作り出してから。そこから落とし込める部分がまだまだあると思う。大山さんのパワフルさで、是非楽しいコミュニティを作って欲しい。

江口夏帆さん(帯広畜産大学2年)「ジャガイモ好きが全国に十勝のジャガイモを届ける旅~旅支度編~」

事業概要

十勝産のカラフルポテトを使った「コロッケ」の開発・販売

活動報告~ビジネスプランの変化と成長

「ジャガイモが好き」という想いだけで事業に応募した。採択時は見た目が特徴のカラフルポテトを使った「スイーツ」をキッチンカーで販売するというビジネスプランだったが、活動をしていくなかで、スイーツにこだわる必要はないと気付いた。調理の段階でカラフルポテトの特徴である色を失わないための試作を繰り返した結果、現在はカラフルポテトを使った「コロッケ」の販売を目指している。

本当に自分にできるか最初は不安だったが、SNSアカウント(Instagram)を開設し、ジャガイモの特徴や調理方法についての情報発信を続けてきた。最終的な目標は、カラフルポテトを原材料として流通させ、家庭で調理されたカラフルポテトが食卓に並ぶこと。

自分自身の変化と成長

磨き上げを行っていく中で、さらにジャガイモのことが好きになった。私にとってこの奨学金事業は、とても大きな挑戦で勇気のいることだったが、どんな事も楽しんでやることができた。目指している「ジャガイモオタク」に少し近付けたのかなと思う。まだまだやりたいことが残っているので、引き続き活動していきたい。

担当メンターから一言

 

担当メンター:とかち財団・高橋さん
好きなことや自分のやりたいことについて他の誰よりも詳しくなるということを既に実践している江口さんは、すでに起業家として一歩を踏み出している。ジャガイモ品種の調理適正を考えながら様々なものを試作調理して、コロッケにたどり着いた姿勢や、情報量の詰まったSNS発信をやり続ける力、諦めない力は本当に素晴らしかった。

アドバイザーから一言

担当メンター:山崎さん
ジャガイモ大好きということが根本にあり、そこから事業が発生するというのは(起業の)理想的な流れ。これから本格的に事業化するときに、悩む部分が出てくると思うが、好きの気持ちを忘れずに取り組んでいって欲しい。

閉会の挨拶

最後にとかち財団総合企画部・赤間さんから閉会の挨拶がありました。

最初の選考時のプレゼンと比べると、本当に堂々としていて皆さんの成長を心から嬉しく思う。全体を通して率直な感想は、大山さんのビジネスプラン(畜大生のコミュニティ)が実現すれば、井尻さん、江口さんのプランももっと活発に展開していくと感じた。これからもの皆さんの活動に期待しています。


閉会後には、関係者と報告会に見学にきていた学生も混じって交流会を行いました。
昨年の7月に採択してから9ヵ月に渡り、それぞれのビジネスプランと向き合ってきた奨学生の皆さんは 本事業の終了後も、引き続き活動を継続する学生もいます。
来年度の募集情報については下記のリンクまで!
http://www.tokachi-zaidan.jp/student.php
起業に興味のある方、好きなことにとことん向き合ってみたい!という学生の皆さんは要チェック!

(報告会後の記念撮影)