十勝Z団(トカチゼットダン)

公益財団法人とかち財団

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11月14日に実施された「とかち・イノベーション・プログラム(TIP)第5期」最終回となる「事業化支援セッション」のレポートをお届けします!

とかち・イノベーション・プログラム(TIP)とは

十勝での新事業創造を目指す参加者が、5ヶ月・9回にわたるセッションを通して仲間を見つけ出し、事業プラン発表までを支援するプログラム。2015年に第1期が実施され、今年で5期目。十勝の経営者、個人事業主、起業希望者など、これまでに273名が参加している。

主催:帯広信用金庫
共催:北洋銀行、北海道銀行、北海道二十一世紀総合研究所、道銀地域総合研究所、十勝19市町村
協力:野村総合研究所、とかち財団

本会では、第5期・67名から生まれた全6チームが事業プランを発表。これが、各チームにとっての「事業開始宣言」となります!

期待と緊張が交錯する中、帯広信用金庫経営コンサルタント室室長の三品さんの司会進行でスタートしました。
本プログラムの主催者である帯広信用金庫の高橋理事長により、開会の挨拶が行われます。

続いて、米沢帯広市長からTIPへの思いが語られました。

「TIPは、十勝のイノベーションコミュニティに毎年新しい“火の玉人材”を輩出してきました。今期のプログラムは本セッションで終了となりますが、開拓者精神を失わず、十勝・帯広の稼ぐ力を高める事業の推進を期待しています」

帯広信用金庫の三品さんが5期目を迎えたTIPを振り返ります。

「少子高齢化・東京の衰退により地域間競争が激化する昨今、十勝が魅力ある地域として成長を続けるための取り組みとしてTIPがスタートしました。これまでに打ち出された事業構想の内、8つの事業が法人化に至っています」

そして、いよいよ各チームのプレゼンテーションが始まりました!

あなたに寄り添う服

チーム名:チームホップ / チームメンバー:小野寺さん、小船井さん、松下さん

小野寺さん「私たちは、30~60代のスローライフ・自然派志向の方をターゲットに“いつまでも着続けたくなるナチュラルラインの洋服”をWeb上で受注し、製造・販売します。受注の際、“なりたい自分・洋服を着ていきたい場所”といった質問を通してユーザーの希望をヒアリング。その内容をもとに、縫製技術を持つ地域の主婦やご高齢の方が洋服を製造するシステムです。大量生産・大量廃棄とは対極の、丁寧な暮らしの一助となるような商品を提供します。」

●サポーター 山川さん(セッション推進チーム)のコメント
「洋服デザイナー、食の経営者、ディーラー経営者の3人がそれぞれの強みを活かしたチームでした」

明日は農家と何しよう?

チーム名:コンプレックス / チームメンバー:品田さん、山内さん、関さん

山内さん「農業現場の人手不足は深刻です」
品田さん「私たちは、食育に関心があり“短時間勤務なら働けそう”と考える主婦のニーズに着目し、オンラインプラットフォームで農家さんと主婦をつなげる事業を構想しました。まず、接点を持たない両者の交流機会を設け、自然に農家バイトへ移行する流れを作ります。そして、収穫の動作をフィットネスの一種と捉える提案などを行い、金銭面以外のメリットを提供。さらに、主婦目線で魅力を発掘・発信する活動を農家さん向けのプランに組み込みます」

●サポーター 大江さん(野村総合研究所)のコメント
「農業現場の課題を解決したいという思いが強いチームでした」

産後ケア・ギフト

チーム名:さんばカーニバル / チームメンバー:前川さん、三浦さん、中村さん、田尾さん、長谷川さん

前川さん「身体トラブルといった産後の不安や負担。その多くが、産後2週間未満に出現します。言い換えれば、この時期に十分な産後ケアを受けたママは心身に余裕が生まれ、愛情あふれる産後を過ごすことができるのです。しかし、産科のある病院・助産所は十勝中心部に限定されるため、へき地に住むママのケアは不十分な状態でした。私たちは、十勝19市町村全域を対象とした助産師による訪問型サービスを、家族や職場がママに贈る産後ケア・ギフトとして提供します」

●サポーター 岡崎さん(セッション推進チーム)のコメント
「地域に人がいなければ地域の経済も成り立たないことに、改めて気付かされました」

愛犬家族VILLAGE

チーム名:とかちTHEオンリーワン / チームメンバー:村松さん、松山さん、鈴木さん

村松さん「豊かな自然や美しい景観など、十勝の魅力を満喫できる上士幌町に、愛犬と一緒に利用可能な宿泊施設『愛犬家族VILLAGE』を作ります。同町の大草原に『VILLA(宿泊棟)』を建設し、屋根まで続くドッグラン、愛犬スパ、愛犬用の水遊びゾーン、愛犬ラウンジBARなどを設け、“愛犬ファースト”を追及。年間通して愛犬と楽しく滞在できる快適な空間を提供します。まずは、1泊6万円1棟貸しの『VILLA』から始め、将来は規模を拡大して『VILLAGE』を実現させます」

●サポーター 木村さん(野村総合研究所)のコメント
「最初から最後までブレることなく、本日の発表を迎えました」

Tokachi Outdoor Sauna Project

チーム名:Teamととのう / チームメンバー:今さん、大久保さん、八所さん、酒向さん、木村さん

今さん「私たちは、テントを活用した可搬型『フィンランド式サウナ』と十勝の自然を組み合わせ、気軽なアウトドア体験を提供します。日本の『乾式サウナ』に比べ、温度が低く湿度が高い『フィンランド式サウナ』。薪ストーブや白樺の葉を束ねた『ヴィヒタ』を用いて楽しみます。サウナで温まってから湖に飛び込むと、自然と一体化したような気分を味わえる上、全身に血が駆け巡る感覚が深いリラックス状態に導いてくれます。サウナの設置場所は、利用希望者とWeb上でやり取りをして決定します」

●サポーター 中田さん(帯広市)のコメント
「収益化の方法が大きな課題でした」

やさいくる

チーム名:Vageフレンドリー / チームメンバー:三ツ山さん、佐々木さん、江波戸さん

三ツ山さん「私たちは、廃棄される野菜を無くし、食の大切さを伝えたいという思いから、野菜に“新しい価値”を創出すべく、野菜くず(農業残渣)を活用した商品の開発・販売を行います。個人向けの直販事業では、とうもろこしの皮を加工したラッピング素材や入浴剤などを開発・販売。企業・農家さん・市町村向けには、野菜くずと古紙を原料とした紙を用いた名刺、にんじんの葉の緩衝材といったオリジナル商品を企画・提供します」

●サポーター 坂口さん(野村総合研究所)のコメント
「新規性と具体性があり、すぐに着手できる事業だと思います」

こうして、全6チームのプレゼンテーションが終了。OBゲストによるピッチが行なわれました。

馬車BAR」永田さん(画像左)/「KOYA.Lab」岡崎さん(画像中央)/「エアシェア」進藤さん(画像右)

最後に、北海道ベンチャーキャピタル(株)の浦田社長から総評がありました。

「地域との連携を前提とした発想に、地域の人と共に良くなっていきたいという気持ちが伝わってきました。TIPで生まれたクレイジーな事業構想を磨き上げ、リアリティを持たせ、スケールしていただきたいと思います」

閉会の挨拶は、野村総合研究所の齊藤さんです。

イノベーションは、思いついた者でなく、諦めない者が起こす。

挑戦者達の背中を押す強いメッセージで、本プログラム全9回のセッションが締めくくられました。

TIP第5期メンバーの今後の活躍を、期待せずにはいられません!